Q95★この前の化学の実験で炎色反応をしました。なぜ炎色反応の炎の色は各金属によって違うのかを教えてください。 炎色反応とは,特にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の塩を無色の炎の中に入れると,炎が各元素特有の色を示すというもので,これらの元素の識別に利用できます。これらの金属は炎の中で熱せられ気体になっています。気体となった原子の中の価電子は,高温に熱せられていますので温度が低い時に比べて,余分のエネルギーをもった状態になりますが,すぐにこの余分のエネルギーを光として放射し元の状態に戻ろうとします。余分のエネルギーをもった価電子は元々の軌道より1つ外側の軌道(高等学校の教科書では出てこない用語だと思いますが、あるエネルギーの高さにある電子が存在する場所というイメージでとらえてみてください。)に移っています。元の状態にもどるとはこの外側の軌道から1つ内側の軌道へ戻ることを意味します。このとき,元素によって元の状態と余分のエネルギーをもった状態とのエネルギー差が異なっています。つまり,価電子が入っている軌道と,その1つ外側の軌道とのエネルギー差が元素によって決まっているということです。このエネルギー差がちょうど可視光の光のエネルギーに相当するので炎色反応が見られるわけです。なお,炎色反応は花火に利用されています。 (RN) 2004/10/31 - 2019/11/15 |