Q217★原子と分子に興味があり、自由研究で「質量保存の法則」を実験してみたいと思っています。物を燃やすと軽くなったり重くなったりするそうですが、周りの空気の分も重さを計ったら変わらないのではないかと思ったからです。家にあるものや身近なものでこういう実験をすることはできますか? 実験方法として、瓶の中で火をつけることも考えてみましたが、瓶のふたがあいてしまうので正確な結果が出ない気がしています。他の実験方法でもいいのでやり方を教えてください。

それはね…

物質の出入りができない密閉した容器で火をつける操作は、複雑な装置を必要とすることや安全面から、家庭で実施するのは難しいように思います。
そこで、台所用品として簡単に手に入るクエン酸と重曹を使った中和実験はいかがでしょうか。重曹はクエン酸と反応することで、気体の二酸化炭素が発生します。300 mLの水が入る大きさのコップに100 mLの水とクエン酸10 gを加えてよく溶かし、コップ全体の重さを量ってください。次に、あらかじめ量っておいた重曹3 gを少しずつ、コップをふり混ぜながら加えます。すると泡が出てきます。泡が出るのが収まったら、コップ全体の重さを量ってください。最初用いた物質の総重量(最初に量ったコップ全体の重さ+重曹の3g)に比べて、最後に量ったコップ全体の重さは軽くなっていることがわかるはずです。次に、20cm×20cm程度の食品保存用のチャックのついたプラスチックの袋に先程と同じように作ったクエン酸水を加え、できるだけ空気を抜いておきます。この時点で袋全体の重さを量り、そこへあらかじめ量っておいた3 gの重曹を加えて、チャックを速やかに閉めます。袋の中の重曹とクエン酸水を混ぜます。重曹が溶けた後に袋全体の重さを量ります。混ぜる前の物質の総重量(混ぜる前に量った袋全体の重さ+重曹の3g)と混ぜた後の袋全体の重さを比べてみてください。また、コップでやった場合と結果が変わるかどうか確かめてみてください。さらに、最後に袋を開けて、中の気体を逃してから重さを量ってみてください。
なお、この実験では気体が発生するため、使う重曹の量を増やしたり、強度の弱い袋を使ったりしますと袋が破裂する可能性があります。実験する時には保護めがねをかけ、必ず、お父さん、お母さんなど大人の人と一緒に実験してください。

小5 (JY & MT) 2019/12/23