第31回化学安全講習会
主催 | 日本化学会 近畿支部 |
協賛 | 日本化学会 環境・安全推進委員会(依頼中)・安全工学会(依頼中)・近畿化学協会・大阪工研協会(依頼中)・触媒学会(依頼中)・化学工学会関西支部・日本分析化学会近畿支部・有機合成化学協会関西支部 |
化学物質はあらゆる産業分野において非常に重要で不可欠なものですが、その性質を理解せず取扱いを誤ると発火や爆発、中毒などの事故に繋ります。また、化学物質の環境への影響も極めて重要な問題であり、法令による規制も頻繁に改正されています。このような観点から、日本化学会近畿支部では化学物質への理解を深め、研究所や工場などの安全性を高め、地球環境を守るために、危険・有害性化学物質の基礎知識や規制基準、災害例や中毒症例からみた事故防止対策、企業での安全活動の実例など現場に即した化学安全に関する講習会を企画しております。
本年度は、化学物質の発火・爆発に関する危険性、化学プラントにおけるリスクアセスメントの現状と課題、大学と企業の安全管理、高圧ガスの危険性把握と安全な取扱い、静電気事故を防止する安全対策の5講義(模擬実験を含む)に加えて、化学系企業の安全管理担当者による安全管理事例に関する講演を2件予定しております。化学安全に関する知識の習得と意識の向上をはかる上で非常に役立つ内容になっておりますので、安全についての新規教育や再教育の一環として、是非ご参加ください。
日時 | 2025年5月15日(木)-16日(金) | |
会場 | 大阪科学技術センター 7階700号室(5月15日)、8階大ホール(5月16日) (大阪市西区靭本町1丁目8番4号・電話 06-6443-5324) |
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交通 | 地下鉄四つ橋線「本町」駅下車、25番・28番出口を北へ約5分、 または同御堂筋線「本町」駅下車、6番出口を西北へ約10分。(うつぼ公園北詰) |
(演題題目及び講師)
第1日(5月15日)
1.化学物質の発火・爆発危険性について(10:00-11:30)
株式会社グリーン・パイロラント 代表取締役社長 松永 猛裕 氏
化学物質は発火・爆発する危険性があり、重大な事故原因になります。このため、なぜ発火・爆発が起こるか、どんな化学物質・反応に注意する必要があるか、事故を未然に防ぐにはどうしたら良いかを知識として持っている必要があります。今回はこうした問題について動画など具体例を交えながら、わかりやすくご紹介させていただきます。
2.東レ(株)滋賀事業場の安全活動事例(12:30-13:10)
東レ株式会社 滋賀環境保安課 課長 中村 守秀 氏
当事業場は生産・技術・研究があり、その分野も繊維高次加工、炭素繊維、医療、樹脂、水処理など多岐に渡る複合工場です。
そのため、事業場として統一した安全活動を行うことは難しいですが、その分いろいろな知見や考え方を参考にできる利点もあります。
強み、弱みを感じながら日々苦労して推進している活動事例を紹介させて頂きます。
また、2023年4月から施行が始まった、改正労働安全衛生法への対応と取り組みについてもふれたいと思います。
3.化学防護手袋の選定および評価について(13:20-14:00)
株式会社日本触媒 姫路製造所 環境安全部 環境安全課 主任部員 右田 雄作 氏
化学物質による皮膚障害等の防止のためには、適切な化学防護手袋を選定することが必要だが、化学工場で取り扱う化学物質は多種多様であり、対象物質に関する化学防護手袋の耐透過性能データが不足していることが、手袋の選定や使用方法を検討する上で課題となっていました。そこで、事業所において化学防護手袋の耐透過性能の簡易的な評価方法の確立を検討しており、今回はその試行錯誤の進展や得られた知見についてご紹介させて頂きます。
4.化学プラントにおけるリスクアセスメントの現状と課題(14:30-16:00)
第2日(5月16日)一般社団法人京葉人材育成会 代表理事 会長、東京大学 工学系研究科 非常勤講師 中村 昌允 氏
リスクアセスメント(RA)は安全管理の要といわれているが、機能しているといえるのだろうか?重大事故は、ほとんどが設備の増設・更新や製造条件変更時の安全性評価や変更管理の不備に起因している。重大事故におけるRAのどこに課題があったのかを、人材育成、リスク評価方法の観点で考えてみたい。一方、変更管理において現状と同等(RIK:Replacement in Kind)と評価された更新配管で事故が起きた。これらの課題に対応するために、RAにおけるPDCAのCheckを強化することによって、安全を担保することを提言したい。新たな技術開発では特に重要になる。
5.大学と企業の安全管理(10:00-11:30)
神戸大学安全衛生・環境管理統括室 安全衛生コーディネーター 特命教授 柴田 信雄 氏
化学物質の自律的管理にともなう法律改正により、化学物質の取扱いだけでなく各方面で安全管理の見直しが行われております。活動の中心は、教育と研究の場である大学と企業の製造や研究部門になっています。今回は、大学と企業の安全管理の違いについてお話しさせていただくとともに、さらに遡った高等学校での安全教育についてもご紹介し、安全管理を担う人材育成についての課題を考えてみたいと思います。
6.高圧ガス事故例、高圧ガスの危険性と安全な取扱いと重大災害を防ぐために(12:30-14:00)
兵庫県高圧ガス保安協会 派遣講師 紙田 章義 氏
兵庫県高圧ガス保安協会では、会員事業所に無料で保安防災教育として各社の希望テーマで1時間前後の講習を行なっています。その一例として、今回、テーマの内容で講習を行ないます。今回は、高圧ガス保安協会のHPの事故事例の紹介と高圧ガスの取り扱いに関する注意事項を紹介させて頂くとともに元ダイセル安全環境部27年の経験を元に無事故を目指すための基本的な考え方や無災害に近付くための安全の8つのワンポイント等の安全に関する個人的な思いをお話しさせて頂き、無事故について考えてみたい。
7.実験で解説する静電気による火災・爆発を防止するための安全対策(14:30-16:30)
株式会社SL経営 取締役 蒲池 正之介 氏
静電気の放電が関与したと思われる火災・爆発発生の原因を調べると、それらの多くに共通する静電気放電発生のメカニズムが浮かび上がります。本講演では、静電気災害事例を基に自ら開発した静電気安全教育用教材を用いて事例の再現模擬実験を交え静電気現象を解説し、静電気安全対策のポイントをお話しさせていただきます。
参加申し込みを頂く方へ
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- 発熱等の症状がある方はご参加をお控えください。
- 会場内での飲食は禁止させていただきます。
申込期間 | 2025年3月1日(金)~4月24日(木) 定 員 60名 |
参 加 費 | テキスト代・ 消費税(10%)を含む 主催・協賛団体会員 32,000円、大学官公庁所属 20,000円、 学生 8,000円、非会員 42,000円 |
申込方法 | HP( https://kinki.chemistry.or.jp/eventform/view.php?id=14180 )よりお申込の上、参加費を送金して下さい。
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問合先 | 〒550-0004 大阪市西区靭本町1-8-4(大阪科学技術センター6階) 日 本 化 学 会 近 畿 支 部 Tel:06-6441-5531, Fax:06-6443-6685, E-mail: csjevent@kinki.chemistry.or.jp |