Q109★家に電解洗浄水というものを持ったセールスマンがきました。その液体は重曹の入った水を4時間かけて電気分解しているとのことです。確かによく落ちますが、電気分解をしないただの重曹水でも落ちる気がします。電気分解をすることによってなにか変わるのでしょうか?化学反応式で考えてみると危険な気もします。


重曹(NaHCO3)は、昔から脱脂に使われていて、これを使って油性の汚れを落とすのは、安全面から考えても有効です。次に電解との併用ですが、水道水を使うと、陽極(正極)では塩素が発生し(1)、生じた塩素は水と次のように反応して次亜塩素酸ができます(2)。
 2Cl- = Cl2 + 2e-   (1)
 Cl2 + H2O = HClO + HCl   (2)
式(2)の反応は酸性よりもアルカリ性のほうがよく起こります。次亜塩素酸は漂白剤として用いられていて、しみなどを落とします。水道水の電解を利用した殺菌や漂白の機能をもたした水(次亜塩素酸水)は、塩素を直接使わないため、病院の消毒液や、家庭用洗濯機に利用されています。このように、重曹の電解水が、汚れやしみを落とす機能はありますが、その効果の大きさ(どのくらいよく落ちるかの程度、洗剤を使った通常の洗浄との比較)については、汚れの種類や洗浄するときの条件により変わってきますので、ここでお答えすることはできません。


(AI) 2005/04/22