Q14★(1)鏡を2枚垂直に、置き、物体をうつすとなぜ像が3つでき、真ん中の像は反対の向きに写るのですか?虚像と実像(凸レンズ)はどうちがうのですか?(2)凸レンズの焦点より手前に物体を置くと目がある方に光は集まらないけど、 なぜ物体側の方に虚像が写るのですか?物体からの光は集まらないとみえないものなのですか?

(1)の回答:
2枚の鏡があたってできる直線の方向からみた平面図を描いてみましょう(下図を参照)。
直角に2枚の鏡(1)を描きます。鏡では正反対に像ができるので、鏡の裏側に他方の鏡の像(2)を描きます。すなわち、平面図では直角に交わった2本の直線になります。物として矢印(3)を描いて、鏡でできる像(4)を2つ鏡の反対側に描きます。できた2つの像を今度はさらに、他方の鏡の像に映した像(5)を描くとこれは1つに一致することがわかります。この像は二回反転したので、はじめの物体と同じ形になります。(鏡に映すと、例えば右ねじは左ねじになりますが、2回映すことでもとにもどります。)ここでできた3つの鏡像と、もとの物体を私たちは見ることになります。鏡を3枚互いに垂直に置いたものをセットにして、これに平行光線を入れると全く正反対方向に光はもどります。すなわち入れた光と出た光は、向きは逆で平行になります。この性質はとても有効で研究実験にも光の通る距離を変えたいときに使っています。(AY)
(2)の回答:
教科書に載っている凸レンズの軸を含んだ平面で、物を示す点をレンズの左側、軸から少し離れたところに置いて考えてみましょう。例えば物を示す点から軸に平行な光を凸レンズに通すと、レンズを通った後、曲がって凸レンズの右側にある焦点を通ります。しかし、点からレンズの中心に向かう光は、まがらずにそのまままっすぐ進みます。一方、点からレンズの左(手前側)の焦点を通る光をレンズにあてる(レンズからはみ出る場合はレンズのサイズを拡大延長
して考えます)とレンズを通った後(右側)は、軸に平行に進みます。これらのレンズを通った後の3つの線はレンズを通った光の方向を示すもので、物を示す点が焦点の距離の上下にあると平行な2本しか引けませんが、そうでない限り3本の線が引け、その延長した直線は必ず一点に集まります。その位置に像が出来ます。凸レンズの焦点とレンズの間に物があると光はレンズの右側では集まらず、物の左側に大きな像となります。これが虚像で、レンズを通して反対側(右側)から物体をみたときに見える像(虚像)です。

実像と虚像についてですが、たとえば電球を凸レンズの焦点よりも左側におくと、レンズの右側のある位置(レンズの右側に紙をおいてそれを移動させていくとはっきり写る位置があります)にはっきりと電球が写ります。これが実像です。これに対して、虚像(上記の説明を参照)はその位置(レンズの左側)に紙を置いても像が写るわけではありません。レンズを通して右側からみたときに、電球の光はそこからきたように見える(写る)だけで す。考えるだけでなく、電球(懐中電灯)とレンズで距離を変えて実験してみてください。

光はレンズを通してもちろん見えるのですが、進む方向が曲がるので、どのように進むか、像を結ぶ(写る)かを決めます。光が見える(普通はぼやけていて像はできない)ことと像を結ぶこととは違い、人 によっては網膜に実像がうまく写せないため、めがねのレンズ(上の場合ですと、凸レンズ=遠視や老眼鏡、近眼の場合は凹レンズ)を利用するわけです。

(AY) 2003/05/02