Q149★ゴルフボールの跳ね返りの実験をしています。氷で冷やしたボール、普通のボール、熱湯で暖めたボール、それぞれを板、コンクリート、畳に落とした時の跳ね返り方を実験しています。(1)各ボールを板の上1mから落としたところ、平均すると
氷で冷やしたボール:22cm, 普通のボール:23cm, 熱湯で暖めたボール:29cmとなりました。予想では、氷で冷やしたボールは、内部が冷えて固体のように固まった状態になり、熱湯で暖めたボールは、内部が暖められて気体のように膨らんだ状態になると予想しました。固体のほうが気体よりよく弾むと予想しましたが結果は逆になりました。(2)落とす場所が板と畳では、畳のほうが板よりもくぼんで力がなくなり、板のほうがよく跳ねて、畳は跳ねないと予想しましたが、結果は1mから落としたところ、平均すると板:23cm,畳:27cmとなりました。どうしてでしょうか?


 ゴルフボールはゴムでできています。ゴムが跳ね返る力は、温度が高くなると大きくなるという性質があります。これは、ゴムが伸び縮する力は、分子の乱雑な運動がもとになっており、温度が高いほど分子の乱雑な運動が激しくなるからです。そのために、熱湯で温めたボールの方がたたくまで跳ねたのだと思います。
 板と畳の違いは難しいですね。板がどのようにして固定されているかにもよります。ボールが、元の位置まで戻ってこないのは、衝突の時に、一部のエネルギーを熱などに変えてしまうからです。板の方が、より多くのエネルギーが熱などに逃げてしまっていることになります。1つ考えられるのは、畳に使われているい草の繊維による反発で、うまく、ボールを跳ね上げているのではないかと思います。トランポリンのように繊維が撓んでゴルフボールを跳ね返しているのではないでしょうか。この時,木材より畳の繊維の方が変形が大きいため反発が大きいように思います。
参考 久保亮五 「ゴム弾性」p.45 裳華房


(RN & MY & TM) 2005/08/23