Q17★1)固体・液体の鉛、固体・液体の食塩の導電性の違い。2)鉛・氷・チョークを叩いた時の様子が大きく異なる理由 を教えて下さい。


1)導電性について:
鉛は金属結合からなる金属です。金属結合の担い手は自由電子で、自由電子があるため金属は、電気や熱をよく導き(通し)ます。金属の電気導電性は、温度が上がるに従って抵抗値が上がる、すなわち電気が流れにくくなるという特徴があります。鉛の場合、固体より高い温度でその状態になる液体の方が、電気は流れにくくなります。
次の食塩についてですが、質問は食塩と食塩水との比較という意味と考えて回答します。食塩はイオン結晶です。イオン結晶は絶縁体であり、電気を通しません。しかし、食塩が水に解けて食塩水になると、陽イオン(Na+)と陰イオン(Cl-)がたくさん存在するので電気を通すようになります。


2)鉛・氷・チョークを叩いた時の様子:
鉛は叩いても割れない(変化しない)、氷は砕ける、チョークはポロポロ崩れる、といった変化の違いがなぜ起きるかという質問と考えて、回答します。この変化の違いは、それぞれの原子あるいは分子の結合様式の違いに基づいています。鉛は金属結合です。氷は水分子間の水素結合です。チョークは、石膏(硫酸カルシウム)の小さな結晶が、「分子間力」という力によって固められたものです。結合の強さは一般に、金属結合>水素結合>分子間力の順であり、この結合力の違いが、それぞれの物質を叩いた時の変化の違いになっています。



(KT) 2003/05/20