Q187★生理食塩水は浸透圧が体液と同じに調整されています。それから、リン酸緩衝生食水(PBS)も浸透圧が同じで、培養細胞に使ったりすると知りました。注射や点滴や手術のときに生理食塩水を使いますが、PBSではダメな理由がわかりません。PBSを点滴されたことがないのできっとなにかダメな理由があると思うのですがよくわからないので教えてください。

生理食塩水の成分は塩化ナトリウム(NaCl),リン酸緩衝生食水(PBS)の成分はリン酸二水素カリウム(KH2PO4)です。リン酸緩衝生食水(PBS)は溶液の水素イオン濃度(pH)を一定に保つ性質である緩衝作用を有する溶液です。体液には元々緩衝作用があるので、ある一定量までの場合、生理食塩水を用いればよく、特に緩衝作用のある輸液を使用する必要はありません。一人当たり約4リットルの体液が循環していますが、生理食塩水一本500ml程度の点滴による体液のpHへの影響はありません。24時間持続で1〜2ヶ月続けるような高カロリー輸液にはKH2PO4などの緩衝作用を有する成分が入っています。

(FT) 2006/07/06