Q198★りんごの変色について~酸素の分布はどう違うのですか? 何のどんな細胞でも、死ぬと色が変わるのですか? 爪は死んだ細胞なのですか? 桃やりんご以外に同じ理由で変色をするものはありますか? 皮をむいたりしてもすぐには変色しませんが、なぜでしょうか? 


 桃やリンゴが茶色に変化する現象は、褐変と呼ばれ、バナナ、山芋なども同様のことが起こります。このような褐変が起こる理由は、かなりこみいった化学の反応が起こるためです。
まず、これらの野菜にはポリフェノールという物質が含まれていて、これそのものは色が付いていません。また、これらの野菜には、ポリフェノールと酸素を結びつける役割を果たす酸化酵素が別の場所に含まれています。
ポリフェノールと酵素は別々のところにあるので、普通は化学反応が起こりません。しかし、皮をむいたり包丁で切ったりすると、細胞が壊れて、ポリフェノールと酵素が出会い、ポリフェノールと酸素が反応することになります。ポリフェーノルが酸素と結びつくと、茶色の色に変化します。
皮をむいてもすぐに変色しないのは、ポリフェノールと酵素が出会い、さらに、酸素が反応するのに少し時間がかかるからです。
桃などの色が変わる原因は、細胞が死ぬということではなく、ポリフェノールと酵素が出会うことによって化学反応が起こることです。ですから、どのような細胞でも死ぬと色が変わるということはありません。また、爪は死んだ細胞です。

(TM) 2006/07/31 - 2020/01/24