Q25★グレープフルーツでなぜ油性ペンが消えるのですか?あとどうしたら消えるのですか?



お尋ねの、グレープフルーツでなぜ油性ペンが消えるのですか?の意味がよくわかりませんので、私がテストしてみました。グレープフルーツの皮と中身の両方でためしてみましたが、皮ではよく消えましたが、中身ではきえませんでした。
これは、グレープフルーツやレモンをはじめほとんどのミカン類(もう少し難しい言葉では柑橘類(かんきつるい)といいます)は、皮の細胞の間にリモネンとい油成分を含んでいます。ミカン類の独特のいい香りの成分です。香水などにも使われています。もちろんミカンの種類によってそれ以外の香り成分が含まれているため少しずつ香りも異なりますが、誰でもミカン類の香りはわかりますね。このリモネンは、水にはあまり溶けません。水に溶けない成分は普通油と呼ばれます。油と油はその性質が似ているためお互いに溶けやすいものですが、水と油はあまり溶け合いません。ミカン類の皮を絞ると液体が出てきますねこの中にリモネンも含まれています。触った後しばらくするとつるつるになりますね。あぶら成分が手の皮膚に付いているからです。ここまで言うとわかりますね。油性ぺンというのは、ぬれた手や水ふきで簡単に消えないように水に溶けない色の成分を蒸発しやすい油に溶かしたものです。書くとすぐに溶媒が蒸発してみずに融けない色の成分が残ります。この水に溶けない成分は、一般に炭素を主な成分とする有機化合物ですので、先に述べたリモネンと性質が似ているところが多く、水に溶けないもののリモネンには溶けてしまいます。そのためにミカンの皮で油性ペンで書いたものをふき取ることができます。
ちなみに、リモネンはポリスチレンを溶かすこともできます。よく見かける発泡スチロールのトレイなどをミカン類の皮でこすると少しづつ溶けます。また皮をよく絞って油を少しでも集めてからトレイを溶かすともっとよくわかります。
似たもの同士は溶け合うことを覚えておきましょう。

(MA) 2003/08/25 - 2018/11/06