Q268★石油の火の中にぞうきんをかけると消えるのはなぜですか?


 物質が燃える(これを燃焼といいます)ためには、つぎの三つの要素が必要です。一つめは燃える物質で、この場合は石油になります。二つ目は酸素供給で、空気と接していると自然に供給されます。三つ目は、点火源(火だね)でマッチなどの火や静電気などがこれにあたります。燃焼が続いて起こるためには、ある一定以上の温度が必要です。逆に言うと、これらのうち一つでも除くことができれば消火できます。

 今回の質問で、石油の火の中にぞうきんをかけると消えるのは、上の二つ目に相当します。つまり、燃えている物質の上からぞうきんをかけることで、空気を燃える物質と遮断することができるため、酸素が供給されづらくなり,火は消えて行きます。しかし、大きな火では,ぞうきんぐらいの布では燃焼面を覆い尽くせませんので火は消えません。泡消火器や炭酸ガス消火器も燃焼する物質と空気との間に泡で膜を作ったり、炭酸ガスの層を作って消火します。

 もう一つ、燃える物質の温度を下げることで燃え広がることを止めることも出来ます。水は温度を下げるのには大変よい物質ですので,大量の水をかけることで,温度を下げ、空気との接触を妨げることが出来る良い消火剤です。ですから、ただのぞうきんでなく水で湿したぞうきんの方が消火には効果的です。石油と水は混ざらなくて,石油の方が軽いので、石油の火事には少量の水では効果がなく、逆に石油が水の表面で燃え広がることがあるので、不用意に水を使うことはいけません。

(MA, MF) 2007/06/06