Q277★今、「地球温暖化」が大きな問題として取上げられている中、その予防策としていろいろな情報(例えばクールビズなど)が渦巻いています。では、科学者の観点から見て、どういった方法が一番有効なのでしょうか?


地球温暖化については、いろいろな科学者がいろいろな意見を持っています。人によっては、大きな問題として取り上げている人も入れば、問題としていない人もいます。
地球温暖化が問題になっているという立場に立つと、たくさんの対策が必要とされます。科学者はそれぞれの専門の分野を持っていますから、そのそれぞれの専門領域の立場でできる、必要なことを、地球温暖化対策として掲げる人が多いように思えます。ここで例を出している「クールビス」は、ファッション界からの一つの解決法の提案ですが、逆にいえばネクタイを売っている人にとってはありがたくない話かもしれません。
同じように、ガソリンで走っている車についても、できるだけガソリンを使わないように(つまり排出される二酸化炭素を減らすように)することが求められています。
車にエンジンと電池を両方搭載しているハイブリッドカーなるものが、最近は販売されていますが、これに対して国は自動車にかかる税金を安くする対策を取って、普及を進めています。しかし、その一方で石油の消費量は開発途上国の爆発的な石油資源の利用量の増加で、ますます増えているのが現状です。
つまり、先進国で石油を節約しても、開発途上国ではそれを上回る消費が増加しているわけです。
ですから、地球温暖化、つまり温暖化の原因となっていると言われている二酸化炭素の排出量は、お互いの立場でどうすべきか意見が全く違っています。結局、それぞれの立場で出来ることからスタートすればよい、ということになるのですが、それには限界があります。それ以上の対策は、社会がどうするか、そして政治としてどうするのかということが問われるようになっています。

(MM & SI) 2007/08/20