Q311★砂糖、ミョウバン、塩の結晶をつくりました。 それぞれ結晶ができる時間、形が違ったものができました。 なぜ、同じような粉状のものなのに、できた結晶の形が違ったり、出来る時間が違ったりするのでしょう? それぞれの性質やしくみがわかりません。教えてください。


結晶というのは分子や原子、イオンが規則正しく並んでできる固体です。
砂糖は砂糖の分子、塩はナトリウムと塩素のイオン、ミョウバンはアルミニウム、カリウムと硫酸のイオンが並んだものです。
ミョウバンには水分子もその結晶の並びに参加しています。
その並び方は分子やイオンの互いに引っ張り合う力と空間のつまり具合によって決まると考えられます。その結晶の形はその材料の1個1個の形や互いの並び方が反映されており、最終的な結晶の形状を予め予想するのは難しいと思います。

結晶ができる時間(成長していく速さ)について
結晶を作るときは、砂糖などを温水に溶かしてこれ以上溶けない状態(飽和溶液)からゆっくり冷やすか少しずつ水を蒸発させると、析出しますが、この時各分子(原子)が規則正しく並べば結晶になります。
ミョウバンは温度によって水への溶解性が大きく異なるので少し冷やしただけでたくさんの溶け切れない成分がでてくるので結晶も速く大きくなります。
塩は温度によって水への溶解性は少ししか違わないので少し温度を下げたくらいでは少ししか結晶はできません。
ですから、塩の結晶を作るには水分を少しずつ蒸発させていった方がいいと思います。
塩やミョウバンの結晶を作る小さな粒子(イオン)は互いに電気的に引き合うので規則的に並ぶことができます。
これに対し砂糖の分子は構造が複雑(一つの分子の中に炭素12個水素22個酸素11個もあり、非対称で、しかも真ん中で折れたような形をしています)で、規則的に並び難くく、速く冷やすと結晶にならなかったり、小さな結晶になるため、ゆっくり結晶を作らないと難しいかもしれません。

普通に結晶を作ると小さな結晶がくっついていたりそれが大きくなっていくつかの結晶が合体したようになったりしてなかなかきれいな形になりません。
速く冷やしすぎないように注意し、使う水を濾過したり結晶化するときにホコリが入らないように気をつけるといいと思います。



(AK) 2008/09/22 - 2020/01/29