Q335★紫玉ねぎの実験をして、材料に重曹と酢を使いました。そのときに、重曹はアルカリ性に、酢は酸性に、反応することが分かったのですが、紫玉ねぎ自身が何に反応するのかが分かりません。


まず,このメールの内容だけでは紫玉ねぎを使って,何の実験からどのような観察結果を得たのかがよくわかりません。おそらく重曹でアルカリ性の,酢で酸性の水を作って,それらに紫玉ねぎを漬けて色の変化を見ている実験をしていると思いますので,それについて回答します。

紫色の野菜(玉ねぎ,ブルーベリー,キャベツ,シソ,大根,芋など)には,アントシアニンと呼ばれる分子が含まれています。一般的に,色素と呼ばれている分子です。酸性やアルカリ性の水による影響を受けて,アントシアニン分子の構造は変化します。その構造の変化を,赤色(酸性の水)から黄緑色(アルカリ性の水)の変化として観察することができます。但し、アルカリ性が強すぎるとアントシアニンの構造がどんどん分解するため,最終的に無色になってしまいます。参考として,化学実験でよく用いられているリトマス試験紙も,アルカリ性や酸性条件によって,分子の構造が変化する特有の色素を紙に浸み込ませ て作っています。

質問にもありますが,紫玉ねぎが何かと反応するのではありません。
アルカリ性や酸性の水によって,色素であるアントシアニンの分子の構造が変化したため,紫玉ねぎ自身の色の変化が起きているのです。

(YN) 2010/08/23