Q345★学校で、昇華について学びました。他の変化では、「融解」と「凝固」というように逆の変化に異なった呼び方がついていますが、「昇華」だけは、「固体→気体」も「気体→固体」も「昇華」と同じ呼び方をします。なぜですか。また、「昇華」とは綺麗な意味の漢字を使っていると思いますが、語源は何でしょうか。

昇華とは温度を上げると固体から直接気体となる現象を言います。
ドライアイスやタンスに入れる防虫剤などは、室温で固体のものが液体にならずに直接気体になるということを、見たことがあると思います。
昇華は主に固体から気体になる現象のことを言いますが、その逆も昇華と日本語では言います。
なぜかは良くわかりませんが、適切な言葉がなかったのか、どうしても区別をする必要もなかったと判断されたのかもしれません。
英語では固体から液体になることをsublimation(昇華)といい、気体から固体になることをdeposition(析出)とも言うようです。でも、析出(deposition)は液体から固体ができることも言いますので、混同してしまい、あまり適切ではないように思います。

確かに「華(花)が昇る」で、きれいな名前ですね。
ナフタレンや、ヨウ素は昇華する物質ですが、これらの固体をビーカーに入れて加熱して昇華させ、その上に冷やした別のビーカーを置いておくと、その底に昇華された物質が、冷やされて析出します。ビーカーの底に析出した結晶は、きれいな結晶で華が咲いたよう見えるので「固体が昇って華が咲いたようだ」という意味で、「昇華」と呼んだのかもしれませんね。

(JH) 2012/05/25