Q54★スライム作りに関する質問です。(1)ポリビニールアルコールとは何でしょうか?(2)スライムを作るとき、ほう砂の役割は何でしょうか? (1)の回答 ポリビニルアルコールとは、高分子(ポリマー)の一種で、洗濯の後にYシャツなどをパリッと仕上げるときに使われる洗濯糊に含まれているものです。 高分子(ポリマー)というのは、同じ分子同士がつながって、長いひものような分 子 になったものです(図1)。ポリビニルアルコールの場合は、「ビニルアルコー ル」 という炭素と水素と酸素からなる分子がつながってできています(図2)。 図1 高分子(ポリマー)の概念図(同じ構造単位がつながったもの) 図2 ポリビニルアルコール(PVA)の化学構造 (2)の回答 「ほう砂」を水に溶かすと「四ホウ酸イオン」というものになります。この四ホウ酸 イオンは、ポリビニルアルコールに「水素結合」という力でくっつきやすい性質をも っています。このため、ポリビニルアルコールの水溶液にほう砂を加えると、 長いひものようなポリビニルアルコールが部分的に橋かけされて、網目のような構造になります(図3)。 この網目構造の中に多くの水分子が入っていき、「ゲル」という状態になります。 ス ライムだけでなく、プリンやゼリーも「ゲル」の一種で、ポリマーの網目構造の中に 水が入ってできています。 スライムを作るときに、ほう砂の量をいろいろ変えてみてください。ほう砂が多いと、 かたいスライムになり、少ないとやわらかいスライムになります。これは、四ホウ酸 イオンによるポリビニルアルコールの橋かけの数が変わるためです。 図3 ポリビニルアルコール(PVA)の化学構造 (KM) 2004/07/13 |