Q63★紫キャベツの色を使った実験で(1)重曹を少量入れる、(2)重曹を多めに入れる、(3)お酢を少量入れる、(4)お酢を多めに入れる、という実験の結果で、それぞれ色が変わるのですが、それはなぜですか?


紫キャベツに含まれている色素をアントシアニンといいますが,この色素は中性の状態(pH=7)では紫色を示す分子です。アントシアニンという色素は,ムラサキキャベツ以外にも多くの植物,とくに花びらに含まれています。この色素が溶けた水溶液を塩基性にしていきますと,青みを帯びてきます。それは,中性の状態から塩基性に変わるとアントシアニン分子から水素が1つはずれた構造になるからです。一方,酸性にすると,赤みを帯びてきますが,このときにはアントシアニン分子に水素が1個くっついた形になるので,赤い色を示します。このように色の変化は,アントシアニン色素の分子の構造がほんの少し変わることに原因があります。質問にあった,重曹は水溶液を少し塩基性にしますので,水溶液の色は青みを帯び,お酢は酸性にしますので,赤みを帯びたと思います。このアントシアニンの性質を利用することで,いろいろな溶液が酸性か塩基性かが色の変化でわかります。なお,ムラサキキャベツの色素(アントシアニン)のpHによる標準的な色の変化の例を次に示します。

pH  2 4 6-7 8 11 13
標準的な色 緋色 青紫


(RN) 2004/08/07