Q76★CDが7色に色づくわけという実験をしました。CDに黒い厚紙で囲いをしてその囲いに穴を空けて光を入れてのぞいて見たところ、虹色の光が見えました。でもその理由やその実験をして何が分かるかが分からないので教えてください。


 音楽用のCDやCD-ROMとよんでいるものについて説明します。
 何がわかるかということですが,直接目に見えない細かな構造があることとその大きさを,虹色が示しています。
 まずCDのつくりかたですが,まずマスターCDというものをつくります。これはハンコや,印刷の原版のようなものと考えて下さい。その表面には音やデータを表す細かな凸凹が規則正しくならんでいます。このときの凸凹構造は三千分の一から千五百分の一ミリメートルくらいの大きさです。次ぎに原盤の上にポリカーボネートなどのプラスチック流し込んで押さえつけ,プラスチック表面に,細かな凸凹を写し取ります。ちょうどハンコにインキをつけ紙に押しつけて,字を写すのと同じです。
さらに,光を反射するために,この細かな凸凹をつけた面をアルミニウムなどの金属で覆います。このようにしてCDができあがります。
 なぜこのような構造をしたCDで虹色が見えるかですが,CDには細かい凸凹が隠れていますので,虹色が見えることになります。このような凸凹の繰り返しがある面が光を反射しますと,繰り返しの構造のそれぞれの長さに対応する波長の光が見えるようになります。三千分の一から千五百分の一ミリメートルという大きさは,ちょうど可視光(紫~赤の光)の波長に相当しますので,虹の各色が見えるようになります。もし上のような細かい凸凹がないばあい,虹色は見えず,単に光を反射するだけの鏡になるだけです。おなじような細かい凸凹によって虹色をあらわすものとして真珠やある種の蝶の羽などを挙げることができます。
 普段何気なくつかっているCDにもこのような細かな仕掛けがあったのです。

(MY) 2004/08/22 - 2019/11/15