Q87★水のみを沸騰させた時の時間と、同じ量の水に砂糖や塩を混ぜた時の時間とでは、どうして沸騰する時間が違うのですか。


水になにか(主として固体)を溶かすと,凍る温度(融点といいます)が下がり,一方沸騰する温度(沸点といいます)が上がります。
この現象は,いろいろな液体に共通してみられるものです。
また,融点の下がり方,沸点の下がり方は溶かした固体の分子やイオンなどの数に比例します。
大まかな話しですが,水1リットルに塩であれば約30 g,砂糖であれば180 g溶かすと沸点が0.5 ℃上がることになります。
砂糖水や塩水を沸騰させるためには,溶かした砂糖や塩の量によりますが,100 ℃より高い温度になるまで加熱する必要があります。
したがって,水だけの時より長く加熱しなければなりません。
なお,融点が下がることについては,中学生の質問コーナーQ77に解説があります。
沸騰する時間が違うのは、もうひとつ、水と塩水などとの比熱(その物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱の量)の違いも関係しています。塩水は水よりもこの比熱が小さいので、同じように加熱すると、塩水の方が水より温まりやすいということになります。上で述べた沸点が変化する効果と比熱の違いの両方が関係して沸騰する時間が違ってきます。

(RN) 2004/09/01 - 2019/11/15