Q98★水から再結晶した硝酸カリウムを水から分離する時は何の器具を使うのですか?

化学実験のでは,ご質問のように水の中で析出した結晶を濾し分けるためにろ紙とよばれる紙を使います。
ろ紙の上に水と結晶とをいっしょに流し込むと,水だけがろ紙の繊維の隙間をとおって下にしみ出てきますが,結晶はとおりませんのでろ紙の上に残ります。
ただしろ紙だけではろ紙を通った水がろ紙全面から流れ出しますので,集めることができません。
そのため,濾斗(ろうと)というガラス器具を台として使います。
ろうとはトランペットの先のように先が大きく開いたガラス管で,開いた部分にろ紙を置き,その上に結晶を含んだ水を流し込むと,下の管から紙の繊維をとおった水が滴り落ちますので,ビーカーやフラスコなどで集めることができます(なお,ろうとを支える目的でロト台を使うこともあります)。以上は実験でよく使う方法で,ろ過とよびます。
もう少し一般的な話しをします。
液体のなかに固体が混じった状態を思いうかべて下さい。この時液体だけを取り出したいのか,それとも固体だけを取り出したいのかによっていろいろな方法を思いつくと思います。例えば,固体が混じっていない液体だけをかんたんに素早く取り出したい場合,固体を容器の底に沈めておき,容器の上の方の液体を容器を傾けることで流し出せば,目的が達成できます。このように分離では,何を目的にするかで様々な方法から選択することがで必要になってきます。その中で,上で述べたろ過という方法は汎用的な方法で,いろいろなところで利用されています。

(RN) 2004/12/24