Q128★みょうばんの結晶つくりをしました。水400gにみょうばん300gを入れただけで水の温度が上がり入れていたガラス瓶も熱くなりました。どうしてですか?

  
それはね… 質問コーナー

みょうばんにもいろいろな種類のものがありますが、おそらく無水和物の「焼きみょうばん」のようなものを使われたのではないでしょうか。その場合、水に溶かすと温度が上がります。水400gにみょうばん300gを入れるとみょうばんが水に溶け始めるので、温度が上がったのです。
 なぜみょうばんが水に溶けると温度が上がるのかを考えるには、まず、水に溶けるとはどういうことかということから知る必要があります。水に溶けるとき、物質はばらばらになって、そのまわりに水が弱く結合します。ばらばらになるときは、砂糖のように分子の形でばらばらになるものと塩のようにイオンという形でばらばらになるものとがあります。みょうばんはイオンの形でばらばらになります。
 みょうばんはカリウムとアルミニウムとイオウと酸素からできています。イオウと酸素は硫酸イオンというかたちでついています。このみょうばんが水に溶けるとき、まずカリウムイオンとアルミニウムイオンと硫酸イオンとがばらばらになります。このときは結合をきるためにエネルギーが必要なので、水が持っていたエネルギーを少し使います。次に、ばらばらになったカリウムやアルミニウムや硫酸のイオンのまわりに水がつきます。これは水和(すいわ)という現象で、このとき、カリウムイオン、アルミニウムイオン、硫酸イオンのそれぞれのまわりに水との弱い結合ができます。この結合をつくるときにはもともとの物質が持っていたエネルギーを放り出してもっと安定な状態になります。このとき放り出されたエネルギーが熱になって、水が温かくなったと感じるのです。この熱はガラス瓶にも伝わって、ガラス瓶もあたたかくなったのです。

(AK) 2007/08/05