Q169★すすは、なぜ水をはじくのですか?

  
それはね…

「すす」は油やろうそくを燃やしたときにできる非常に細かい粉で、炭素という元素から出来ています。非常に細かいので目で見ても粒は見えません。また形も不揃いで、粒どうしで集まる性質があり、デコボコの表面に薄い空気の膜を作ります。すすが水となじむことはありません。従って、混じることのない水と一緒にすると、(表面張力という現象で)丸い粒になっているかと思います。

「水をはじく」性質(撥水性、はっすいせい、といいます)という点では、似たような例として、はすやサトイモなど葉などでの例が知られています。非常に細かいデコボコの表面になっている葉の表面についた水は(表面張力によって)丸まって水滴となります。この性質を利用した材料の研究も盛んに行われています。

ちなみに、中高生の質問コーナー Q82にも書いてありますが、習字で使用する墨は、「すす」と水となじみやすいニカワといっしょにすることで、ススの粒がニカワで取り囲まれ,水の中に散らばるようにしています。

(KN) 2009/08/31