Q171★(1)家庭の冷凍庫で、どうして、塩水、醤油と味醂は固まらないのですか? (2)どうして水や炭酸水の中に砂糖水の氷が沈むのですか? (3)炭酸水の中にお酢の氷が沈むのですか?

  
それはね…

(1)家庭の冷凍庫で、どうして、塩水、醤油と味醂は固まらないのですか?

食塩水が水より凍りにくいのは、凝固点降下という現象です。小学生の質問コーナー Q170に説明がありますので、見てみてください。

水も氷も同じ(水素と酸素が2:1で結びついたH2Oという)分子からできています。水では分子がバラバラに動き回っていたのが、氷になると規則正しく並んでじっと止まった状態になります。食塩などを水に溶かすと、水の分子が規則正しく並ぶのをじゃましようとします。それで、水は氷になりにくくなるのです。例えば、何もとけていないきれいな水が凍る温度(あるいはとける温度で融点といいます)は0 ℃です。しかし、水に何かを溶かすと、溶かした量が増えるほど融点が下がります。

本みりんには14%のアルコールが含まれており、さらにアルコール以外の物質(砂糖の成分など)もたくさん含まれています。その「凝固点降下」によって、本みりんはさらに凍りにくくなっているのです。しょうゆには、大豆や食塩などが含まれているのはご存知ですね。こいくちしょうゆは約16%、うすくちしょうゆが約18%の食塩が含まれているそうです。濃い食塩水である上に、さらに水を凍らせるのを邪魔する働きをする成分が入っていますので、従って凍りにくくなります。


(2)どうして水や炭酸水の中に砂糖水の氷が沈むのですか?
(3)炭酸水の中にお酢の氷が沈むのですか?

これは、凍るということとは別で、「密度」という話になります。例えば、100ccの水に砂糖を溶かしていくと、100ccより増えますか?ほとんど増えないと思います。でも約100ccあたりの重さは重くなっています。つまり、砂糖水の方が水より重くなっているので、濃い砂糖水を凍らせると(最初は)水に沈みます。また水は凍ると(体積が増え、)水より密度が軽くなるので、浮くようになります。この話だと、沈むかどうかは、溶かした砂糖の量にもよることがわかるかと思います。(死海など)塩分の濃い海や湖では人間が簡単に浮いてしまうのを見たことはありませんか?また、卵は水よりも食塩水に浮きやすくありませんか?これは食塩水の密度が理由です。
炭酸水は、水の中に二酸化炭素を溶かしたもので、種類はさまざまです。一方でお酢は主に酢酸(さくさん)という物質が4-5%含まれ、それ以外にもいろいろな成分が入っています。お酢の密度は水と変らないようですが、上の話からするとしっかりとしたお答えは出来ないようです。いろいろと調べてみてください。

(KN) 2009/08/30, (WG) 2017/07/10