Q170★砂糖水・塩水・水をこおらせてどれが早く溶けるか実験をしてみました。塩水→水→砂糖水の順番に溶けましたが合っていますか? それと、どうして塩水が1番先にとけてどうして砂糖水が1番とけなかったのですか?

  
それはね…

食塩水が水より凍りにくいのは、凝固点降下という現象です。とりあえず、砂糖と塩の量がいっしょとして考えてみると、塩を溶かした水の方が、砂糖を溶かした水よりも低い温度でとけます。(中高生の質問のQ9, Q72Q77, Q134, Q204に似た質問があるので参考にしてください。)
冷やしていくと、水が氷になるというのを考えてみます。水も氷も同じ(水素と酸素が2:1で結びついたH2Oという)分子からできています。水では分子がバラバラに動き回っていたのが、氷になると規則正しく並んでじっと止まった状態になります。冷やすということは、動き回るエネルギーを奪うことで分子が動き回らなくなるということで、とかすというということは、この反対ですね。
食塩や砂糖もそれぞれの分子(あるいは、イオン)がたくさん集まってできています。これらの分子(イオン)は、水と混ざると、水の分子が規則正しく並ぶのをじゃましようとします。それで、食塩などを溶かすと、水は氷になりにくくなるのです。例えば、何もとけていない純粋な水が凍る温度(あるいはとける温度で融点といいます)は0 ℃です。しかし、水に何かを溶かすと、溶かした量が増えるほど融点が下がります。たとえば、食塩4 gを水100 mlに溶かすと、融点が氷点下2.5℃位まで下がります。砂糖では、食塩よりも分子ひとつあたりの重さ(分子量といいます)が大きくなるので、食塩と同じ重量であれば、食塩より高い温度で凍ります。

氷がとける速さは氷の作り方によっても違ってきます。しかし同じ氷を使ったとしたら,その溶け方は氷のまわりから,熱が伝わってくる様子で違います。もう少し簡単に言うと,氷をとりかこむまわりの水の温度で変わるということです。
たとえば氷をお湯の中に入れたときと,水の中に入れたときとを比べてみてください。お湯の中に入れた方が速くとけますね。このように熱はいろいろなところで,またいろいろな方法で出たり入ったりしていますので,実験の条件をかえると結果が変わってしまいます。このような実験をするときには、水の量、容器の大きさ、塩や砂糖を溶かした量などを記録しておくとよいかと思います。例えば、水の量が違ったりすると、とける時間が違っても、水の量が違ったためかもしれません。(これは、中高生の質問のQ66も参考にしてください。)

説明が長くなりましたが、実験の様子がよくわかりませんが、塩水が水より早くとけるかと思いますが、条件によって順番が変わってくるので、正しいかどうかはわかりません。条件を同じにしてやってみれば、上の説明の通りの順番になるかと思います。

(KN) 2009/08/25