Q194★塩、塩コショウ、砂糖は結晶ができました。でも、こしょうと片栗粉は結晶ができませんでした。どうして、結晶ができるものとできないものがあるのですか?


  それはね…

まず少し結晶について一緒に考えてみましょう。
結晶には目で見える大きく成長したものや目では見えないとても小さいものがあります。目で見える物の代表例としては塩、砂糖や水晶などがありますね。また目で見えない小さい結晶の例としては顕微鏡で観察した雪の結晶などを思い出して下さい。また結晶はひとつの物質から出来ている非常にきれいな(純粋な、つまり混じりものがない)ものです。ここが大切なポイントです。

目で見えないだけでじつは小さい結晶はたくさんあります。条件(温度とか、水溶液の濃度などいろいろあります)をきちんと整えてあげると、おおくの物質は結晶とすることができます。また形も結晶となる物質によっていろいろあり、塩のように四角のものや、水晶のように先がとがって透明のものもあります。

では、塩の結晶を作った時を思い出して下さい。たくさんの塩を水に溶かしたと思います。そしてゆっくり水を蒸発させて結晶を作ったでしょう?これは使った塩の種類にもよりますが、一つの物質が水の中に非常に多く溶けている状態といえます。こういう状況で少しずつ水が蒸発してくると、溶けきれなくなってまず小さな結晶の核が出来ます。そしてとてもたくさん溶けている塩が最初にできた結晶の核を中心として結晶となり結果としておおきな結晶に成長できます。砂糖も同じです。
ではコショウを考えてみましょう。おそらく水に溶かした時、大半が溶けなかったでしょう?水に浮いたもの、沈んだものがたくさんあったと思います。これらは水に溶けないので結晶にはなりません。また水の中に溶けているものも、コショウは塩や砂糖のようにひとつの物質から出来ているものではないので、とても多くの種類のものが少量ずつ溶けている状態にあります。そのような状態で水を蒸発させても同じものどうし集まった大きな結晶は出来にくいということです。でもそれぞれの物質の目で見えない小さい結晶は出来ている可能性はあります。
塩コショウの場合の結晶は、塩コショウに多量に含まれている塩が結晶となったものでしょう。
カタクリ粉も水には溶けなかったでしょう?お店で売っているカタクリ粉の大半はジャガイモのでんぷんが主成分です。意外かもしれませんが、でんぷんは結晶でもあります。でんぷんは水には溶けません。加熱していくと溶けてドロドロの溶液になりますが(のり化といいます)これを置いておいておくとお米がかたくなったようなものになります。これはでんぷんが変化したもので結晶ではないのです。

(MY) 2011/09/12