Q201★尿素の結晶をつくるときのことを教えてください。水に溶けた尿素は、なぜ、結晶になってまた出てくるのか、おしえてください。
それはね…
まず、尿素を知らない人もいると思うので、尿素の説明をします。
尿素は、色がなく、においもしない結晶です。
尿素は体から出てくるおしっこ(尿)に多くふくまれています。
水によくとける性質があります。
保湿クリームや肥料などに使われています。
最近は、水とまぜると冷たくなる性質を利用して、携帯用の冷却パックとしても使われています。
尿素が結晶として出る理由について、2つのケースを書きました。
結晶を出させるには、いろいろな方法があり、その原理もかわるからです。
ぜひ、いろいろな方法で結晶の析出(結晶を出すこと)を楽しんでください。
1.
尿素の水溶液(例えば、尿素を水にとかし、洗濯のりと洗剤をまぜたもの)を紙などにひたして、そのままおいておくことで紙のまわりに結晶を析出させるとき
尿素の水溶液は、紙にひたすことで少しずつしみていきます。
そして、紙の先から、水分が少しずつ蒸発していきます。
水が蒸発することで尿素の濃度が上がり(濃くなっていき)、最後には尿素は水に溶けきらなくなります(このときの水溶液を、尿素の飽和溶液といいます)。
さらに水が蒸発することで、尿素の結晶が析出します。
水の蒸発がゆっくりで、核となる結晶のまわりに規則正しく尿素が結晶として析出し、きれいな針状(針のように細くとがった形)の結晶がみられるようになります。
なお、あらかじめ尿素の結晶を紙のまわりにつけておくと、その結晶を核にして、結晶が成長しやすくなります。
2.
あたたかい尿素水溶液を冷やすことで結晶を析出させるとき
尿素は温度によって、水にとける量がかわります。温度が高いほど尿素はとけやすくなり、低いほどとけにくい性質があります。
20℃の水100mLに約100gの尿素がとけますが、60℃のお湯100mLには、
やく250gの尿素がとけます(尿素をとかすときは温度が下がるので、温度が
下がりすぎないよう注意してくださいね)。
ぎりぎり60℃に溶けていた尿素の水溶液を、少しずつ冷やすと、尿素はとけきれなくなり、結晶として析出してきます。
温度の冷やし方で結晶の大きさやようすがかわります。
いっぱんに、ゆっくり冷やしたほうが大きな結晶ができ、急に冷やすと粉のように細かい結晶ができます。核となる結晶を少しだけ入れるという方法できれいな結晶ができることもあります。
尿素の他にミョウバンを使ってもきれいな結晶ができます。
ぜひチャレンジしてみてください。
でも実験するときには必ず大人の人と一緒に実験し、保護めがねを必ず着けて実験を行なって下さいね。
(KI) 2013/03/05
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