Q207★イソジンうがい薬で実験しました。イソジンの中に、ハイターを入れたら透明になりました。また、片栗粉を入れたら黒くなりました。理由を教えて下さい。
  それはね…


イソジンは「ヨウ素」という物質をほかの物質と一緒に水に溶かしたものです。
ヨウ素というのは、酸素、炭素などのように自然界にある基本的な物質のひとつです。
純粋なヨウ素は光沢のある紫がかった黒い固体ですが、水に溶けているときは濃い赤茶色(イソジンの色)をしています。

ハイターは衣類などの汚れの色を白くする「漂白剤」です。
「漂白」というのは色の付いた物質を壊して白い(色のない)物質に変えることです。
ハイターの中に入っている「次亜塩素酸ナトリウム」という成分が、「酸化」という方法で色のついた物質を壊して色の無い物質に変えます。 

イソジンのヨウ素も酸化されて、ヨウ素酸という色のない物質に変わります。
ただ、ヨウ素が壊れてしまうのではなく色の無い物質になっているだけです。
普通の汚れは、漂白によって壊れてしまって、もとに戻るようなことはありませんが、ヨウ素の色の無い物質は眼には見えていなくても、水に溶けています。
このため、「酸化」の反対の処理によって元に戻すこともできます。

(漂白剤はいろいろな物質を壊します。生物も傷つけ、ばい菌などの小さな生物は死んでしまいます。
この力を利用して台所などでは殺菌にも使います。
漂白剤は人にも有害で、使い方によっては危険ですので、ラベルなどの注意書きをよく読んで注意して使ってください。
そして、必ず大人の人のいるところで、屋外か風通しのよいところで実験してください。))

片栗粉は「でんぷん」という物質でできています。
でんぷんは長い紐のような形の物質で、水の中ではらせん状になって細い管のような形になりやすいという性質があります。
ヨウ素はこの細い管の中に入り込んで、1列に並んだ状態になります。
このような状態のときのヨウ素の色は赤茶色から濃い青紫色です。
この色の違いはその列の長さによるもので、長いほど濃い青紫色になります。
ところで、この色は行儀よく並んだ状態での色です。
熱くしたり冷やしたりするとどうなると思いますか?


(AK) 2014/08/25