Q208★万能ネギの水栽培の実験をしています。さとう水、炭酸水、重そう、食器用洗剤、食器用漂白剤、スポーツドリンク、浄水、で実験をしました。どれも切り花が長持ちすると聞いたからです。4日目にスポーツドリンクと炭酸水の根がうすい赤になりました。炭酸水はスポーツドリンクよりもこいめの赤でした。6日目には根が弱って半とうめいになってきました。色は2つとも、日に日に赤がこくなてきました。7日目には、さとう水の根が2本、下半分が紫になっていました。4日目と7日目に実験水と下にひいていたキッチンペーパーを、こうかん しています。この赤と紫に色が変わった理由がわかりません。なぜですか?ネギは無事に成長しています。

  それはね…


 おもしろい実験をされていますね。たくさんの結果が出ているのでまとめるのが大変かもしれませんが、がんばってください。
 さて、質問の内容ですが、ネギの水耕栽培ですね。根がいたんで、色のあるカビが生えた可能性もあるかもしれません。カビではない場合は、色素のせいで色がついたと考えられます。特に、赤色や紫色に色づく原因は、多くの植物に含まれているアントシアニンと言う化合物が原因だと考えられます。アントシアニンは、花や実の色を決めている色素の一つです。あじさいやすみれなどの花の色もアントシアニンに由来しています。一般的に、酸性の水溶液中では赤色に、アルカリ性の水溶液の中では青色に見える特徴があります。
 アントシアニンは、糖分など栄養があると作られやすいと言われています。ですので、さとう水のような栄養のある水に入れておくとアントシアニンが作られ、色が出たのだと思われます。なお、スポーツドリンクや炭酸水は、一般的に弱酸性の水溶液ですので、赤色に見えているのだと思います。一方、さとう水はほとんど中性ですので、赤と青の中間の紫色に見えているのではないかと思われます。重そう、洗剤を溶かした水や漂白剤を溶かした水、浄水には栄養が含まれていませんので、アントシアニンが作られなかったものと思われます。
 紫タマネギなどの色とも比較してみてはどうでしょうか。ペーパークロマトグラフィーを使うと同じ色素かどうか比べられると思います。そのほかにも酸性とアルカリ性で色が変わるはずですので、赤い根をアルカリ性の水溶液にひたして様子を見るというのもよいかもしれません。アントシアニンかどうか確認する実験も行えば、さらに良い自由研究になるかも知れませんね。がんばってください。

なお、一般社団法人日本植物生理学会のホームページに「みんなのひろば・植物Q&A」というコーナーがあり、植物科学の研究者の先生方が「植物のふしぎ」に関する質問に回答されています。
「砂糖水につけたねぎの観察」に関する質問への回答が大変わかりやすいのでそちらも参考にしてみてください。
http://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2027

(TI & KM) 2015/08/18