Q210★みょうばんでけっしょうを作っています。ガラスのコップとプラスチックのコップではなぜけっしょうのできる早さがちがうのですか? あと口のせまいコップのほうが早くモールにけっしょうがつきました。どうしてですか?

  それはね…

 
みょうばんの入った水をあたためて()かした後、ガラスとプラスチックのコップにそれぞれ入れ、そのコップにモールを入れて、ゆっくりと冷やして結晶(けっしょう)を作って実験(じっけん)を行ったとしてお答えしますね。

その前に、なぜ結晶(けっしょう)が出てくるか知っていますか? みょうばんは、あたたかいお()にはたくさん()けて、(つめ)たい水には少ししか()けません。ですので、(あたた)かいお()にたくさん()かしておき、ゆっくり(ひや)やすと()けきれなくなったみょうばんがきれいな結晶(けっしょう)として出てくるという仕組(しく)みです。とすると、早く()めれば早く結晶(けっしょう)が出てくることになりますね。
ガラスとプラスチックのコップでは、どちらからはやく結晶(けっしょう)が出てきましたか? これには二つ考えないといけないところがあります。
一つは、その材料(ざいりょう)(コップを作るとき、そのもとにするもの)の()(ねつ)(つた)わりやすさです。ガラスとプラスチックでは、ガラスの方が3倍くらい(ねつ)(つた)えやすい性質(せいしつ)()っています。ですので、あたたかいお()を入れたガラスのコップとプラスチックのコップでは、ガラスのコップの方が外の空気で()やされて早く(つめ)めたくなります。ガラスのコップの方から早く結晶(けっしょう)が出たのなら、この(ねつ)(つた)わりやすさが原因(げんいん)だと思います。
もう一つは、その材料(ざいりょう)厚さ(あつ)です。ガラスのコップが分厚(ぶあつ)くて、プラスチックのコップがうすい場合(ばあい)、ガラスがいくら(ねつ)(つた)えやすくても、うすいプラスチックのコップの方がコップの外側(そとがわ)空気(くうき)()やされて早く()めることになります。プラスチックのコップの方からはやく結晶(けっしょう)が出たのなら、コップの(あつ)さに(ちが)いがないかチェックしてください。
同じガラスのコップでも(あつ)さの(ちが)うコップでくらべてみても面白(おもしろ)実験(じっけん)になるのではないでしょうか。プラスチックのコップは同じように見えても、ポリエチレンとかポリスチレンとか(ちが)うものでできていることもありますので、くらべることは(むずか)しいかもしれません。使い()てのプラスチックのコップのようにかなりうすいコップと(くら)べると、(ちが)いがはっきりすると思います。

コップの口の大きさについて
みょうばんを()かした水からみょうばんの結晶(けっしょう)を作る方法(ほうほう)にはもう一つの方法(ほうほう)があります。水を蒸発(じょうはつ)させるという方法(ほうほう)です。水は()やすと(こおり)に、(あたた)めると水蒸気(すいじょうき)()わります。水から水蒸気(ずいじょうき)()わることを蒸発(じょうはつ)といいます。水が蒸発(じょうはつ)して少なくなると、みょうばんが()けきれなくなり、結晶(けっしょう)として出てくるのです。そうすると、蒸発(じょうはつ)しやすい口の大きな入れ物に入れた方が早く結晶(けっしょう)が出てくることになります。質問では、口の小さいコップの方が早いと書いてあります。結果(けっか)(ちが)っていますね。ということは、蒸発(じょうはつ)原因(げんいん)ではないということです。とすると、口の大きさは今回(こんかい)実験(じっけん)ではあまり重要(じゅうよう)ではなく、みょうばんを()かしたお湯の()めやすさに(ちが)いがある、すなわち、コップがどういったものでできているかとコップの(あつ)さが原因(げんいん)だと思います。
また、入っているお湯の量が(ちが)えば、()めやすさにも()が出てきます。同じ量のお湯を入れていますか? もし(ちが)えば、これも原因(げんいん)かもしれません。温度計(おんどけい)があれば、みょうばんを()かした水の温度(おんど)(はか)って、その変化(へんか)結晶(けっしょう)の出てくるタイミングを調(しら)べてみると()いかと思います。

(KM) 2016/07/19