Q219★血液はなぜ赤いのかを調べています。本を読んで調べたり、カイロの中の鉄を酸化させて変化を見たりする中で、血液には赤血球があり、ヘモグロビンがあり、鉄があり、酸素と結合して赤くなる、それが見えているから赤いということがわかりました。鉄は身の回りにたくさんあり、体の中のヘモグロビンにもあると本に書いてありますが、あの磁石にくっつく硬い鉄が体の中にあること、ナッツや海苔といった鉄分の多い食べ物のどこにあるのか、ましてやそれらは磁石にくっつくわけでもないので、鉄がどこにあるのか理解できません。どのようにしたら、金属の鉄と血液中の鉄と同じもの、もしくは同じようでここが違うなど、共通項のようなものが見つかるのでしょうか? それはね… ■磁石にくっつくかたい鉄が、体の中や食べものの中に入っているの? 体の中や食べものに入っている鉄分は、かたい鉄から別のものにかわった「鉄のなかま」です。鉄のなかまにかわってしまうことで、磁石にくっつかなくなってしまいます。 鉄は建物などをつくるときに使われる鉄筋や鉄骨などもありますし、カイロに使われている鉄粉など、いろいろな形で存在しています。 小学校6年生になると、鉄にうすい塩酸を加えると鉄があわを出してとけていくということを勉強します。 とけた鉄は、うすい塩酸のなかにありますが目でみることはできません。 この鉄をとかしたものをかんそうさせると、うすい黄色の物がのこります。 この時、鉄がどうなってしまったのかというと、塩酸にとける時に、塩化鉄とよばれる鉄のなかまにかわってしまったのです。 このような変化を化学反応といい、できたものは化合物といい、色や性質が違うものになってしまうことがあります。 鉄は銀色で、磁石にくっつき、水にとけませんが、塩化鉄はうすい黄色で、磁石にくっつかず、水にとけるといった性質をもっています。 鉄のなかまには、塩化鉄でだけでなく、いろいろなものがあります。 食べものの中には、鉄がいろいろな形にかわって入っているのです。 ■人の血はなんで赤いの? 人の血には、赤血球という酸素を体中にはこぶものがあります。赤血球には、「ヘモグロビン」という物質がはいっています。このヘモグロビンには水にとけている鉄のなかまをひっつける部分があります。鉄のなかまをひっつけることによって、黒っぽい赤色になります。また、この鉄のなかまをひっつけた部分に酸素がとりこまれると、あざやかな赤色にかわります。これが、血が赤色になる理由です。 私たちは、空気をすって、肺で空気から酸素をとりだします。とりだした酸素ヘモグロビンにとりこまれて、動脈という血管をとおって体中に酸素をはこんでいます。ですので、動脈の血の色はあざやかな赤色をしています。酸素を運んだあとの血は、静脈という血管をとおって心臓、そして肺へともどりますが、この血のなかのヘモグロビンには酸素がとりこまれていないので黒っぽい赤色をしています。 ■人の体の中にある鉄はなぜ磁石にくっつかないの? じつは、ヘモグロビンも磁石のような性質を持ちます。でも、磁石としての力はとても弱いので、体に磁石を当てても磁石が体にくっつくことはありません。 また、体の中のヘモグロビンは、酸素がひっつくと磁石の性質がなくなります。 ヘモグロビンのこの性質は、脳の研究に使われています。 脳が活動すると、酸素をたくさんつかうため、酸素とひっつくヘモグロビンの量がふえます。この時、磁石の性質はとても弱くなります。 脳が活動していないと、酸素と結合するヘモグロビンの量は少なくなります。この時、磁石の性質が、少し強くなります。 この磁石の性質の大きさのちがいを使って脳のはたらきを調べています。 小2 (MT & MT & AK) 2020/08/27 |