Q272★廃油石けんの化学反応式を教えて下さい。 すこし、質問の内容が把握できておりませんが、以下のように石鹸の作り方に関して解答します。幾分難しい内容が含まれています。 廃油(植物油などの一部が酸化したもの)のほとんどは「油脂」と呼ばれる化合物の混合物と考えられます。油脂とは、脂肪酸*とグリセリン(アルコールの一種)から水分子がとれたもの(これをエステルという)で、植物油とは室温で液体のものです。てんぷら油として市販されているものに白絞油(しらしめゆ)がありますが、それは大豆油と綿実油を精製したもので、脂肪酸部分が異なるもので(主成分は炭素を16-18個含む脂肪酸)、その中で代表的なものは不飽和脂肪酸のリノール酸です。これは、炭素数18で(すこし専門的になりますが、詳しくいうと、9位と12位にシス型の炭素?炭素二重結合を2つ持っています)、化学式はC17H31COOHです。すなわち、このカルボン酸とグリセリンとのエステルが代表的な油脂といえます。油脂をけん化(水酸化ナトリウム水溶液を加え加熱して、加水分解する)すると、1つのグリセリンと3つの脂肪酸のナトリウム塩が得られます。 (実際にはいろいろな脂肪酸の混合物ですので、生成するのもいろいろな脂肪酸のナトリウム塩の混合物になります。)この脂肪酸のナトリウム塩が石けんです。一つの例を反応式で書くと、下の式のようになります。 *良く知られている酢酸はCH3COOHという分子式(化合物の構造を表すときの表示法の一つ)です。一般にRCOOHという分子式を持つものをカルボン酸といい、Rの部分がいろいろ代われば、様々なカルボン酸になります。そうしたカルボン酸の種類の一つに脂肪酸があります。 中高生の質問コーナー Q257、Q99にも似た質問があるので参考にしてください。 (MF) 2007/08/06 |