Q323★卵、砂糖水は何性ですか?


・卵について
全卵は弱アルカリ性です。なお,卵黄は弱酸性、卵白は弱アルカリ性となります。卵の酸性・アルカリ性を pH という尺度( pH 1~7 で酸性,pH 7~14 でアルカリ性)で表すと,全卵の pH はおよそ 7.8,卵黄の pH は 6.2~6.6、卵白の pH は7.5~8.0となります。
卵白は約 90% の水分と約 10% のタンパク質からできています。卵白に含まれるタンパク質としては,アルブミン,オボムコイド,リゾチームなどが知られており,これらのタンパク質はそれぞれ,酸性を示したり,アルカリ性を示したりします。また,殻から溶け出した炭酸カルシウム(弱塩基性)や炭酸ガス(弱酸性)も卵白中に含まれます。これらの酸性とアルカリ性を示す化合物の総和で卵白の pH が決まります。なお,新鮮な卵の卵白には炭酸ガスが多く含まれるので pH は8くらいになるのですが,卵が古くなると炭酸ガスが殻の外に抜けていくので pH は 9 くらいまで上がるそうです。
卵黄は約50%の水分,約20%のタンパク質,約30%の脂肪からできており,ビタミン類も多く含みます。卵白と同様に炭酸カルシウムも卵黄中に含まれます。卵黄中のタンパク質,ビタミン類,炭酸カルシウムなどの総和で,卵黄は弱酸性となるのです。(参考として中高生の質問コーナーのQ32の回答も見て下さい)。

・砂糖水について
砂糖の主成分はスクロース(ショ糖)と呼ばれる炭水化物で,マルトース(麦芽糖),ラクトース(乳糖),フルクトース(果糖),グルコース(ブドウ糖),ガラクトース(脳糖)なども含まれることがあります。これらの成分は水に溶かしても電離しない(イオンにならない)ので,砂糖水のpHは砂糖を溶かす水の pH と等しくなります。たとえば,砂糖を水道水に溶かせば,ほぼ中性となります。

(FK) 2009/08/24