Q327★炭酸水に油を入れると炭酸が抜けやすくなるのはなぜですか? 炭酸水に塩を入れると炭酸が抜けやすくなるのはなぜですか? また、それとは逆に砂糖を入れると炭酸が抜けにくくなるのはなぜですか?


炭酸水に油・塩・砂糖を入れると炭酸が抜けやすくなったり、抜けにくくなったりする理由を知りたいとのことですが、この現象に関しては、小学生の質問Q34, 150, 中学生・高校生の質問Q69, 70にも詳しく説明されていますので見てください。

 炭酸水は圧力をかけて、気体の二酸化炭素を水に溶かしたものですが、水中の二酸化炭素の大部分は炭酸(H2CO3)の状態として存在するのではなく、二酸化炭素分子(CO2)の状態で存在しています。その意味で二酸化炭素は水に化学的に溶けているというよりも、むしろ物理的に(圧力をかけて)無理矢理水中に押し込められていると言ってよい状態となっています。そのため、容器のふたを取ることにより圧力が下がると、水中に閉じ込められていた二酸化炭素が大気中に解放され、その際に泡が発生するのです。このとき、炭酸水に何らかの刺激を与えると、二酸化炭素が大気中へ逃げ出ようとする動きが促進されます。単純にかき混ぜたり、表面がざらざらしたようなもの(塩や砂糖)を加えたり、油を加えることでできる水と油の境界面の発生により、泡の出方は激しくなります。
 「それとは逆に砂糖を入れると炭酸が抜けにくくなる」の部分ですが、これは「何も刺激を与えない炭酸水と比べて泡の出方が少ない」という意味なのか、「油や塩を加えたときよりも泡の出方が少ない」という意味かわかりませんが、実際に実験をしてみたのでしょうか?泡の出方は物質の化学的な分類(油=有機物質、塩=電解質(水中で陽イオンと陰イオンに電離する物質のこと)、砂糖=非電解質)で決まるのではなく、物質の形状によって決まると考えた方がよいでしょう。このことに関連した実験の提案は小学生の質問Q150にありますので参考にしてください。

(AI & TM) 2009/08/24