Q158★水と塩水と砂糖水とポカリの粉を溶かした水で凍る速さを実験しました。それぞれ水50ccに2g、5gずつ溶かし 30分ごとに様子を見ました。完全に凍った順番は、(1)砂糖5g (2)砂糖2g (3)塩2g・ポカリの粉2g・ポカリの粉5g (4)水で、塩5gは凍りませんでした。溶かすものによって凍る温度が低くなるみたいですが、どうしてこの順番になったのでしょうか? また水は表面から、砂糖水・塩水は水中に霜柱が増えて凍っていき、ポカリはまわりから凍っていきました。それはなぜですか?

  
それはね…

水に何かが入っていると、何も入っていない水にくらべて、凍る温度(氷になる温度)が低くなります。つまり、何も入っていない水は0℃で凍りますが、塩水や砂糖水のように何かが入っている水は0℃より低い温度にならないと凍らなくなります。(その理由は中学生の質問コーナーのQ204に分かりやすく説明されていますので見てみてください。)

この凍る“温度”は入っているものの量によって決まり、量が多いほど凍る温度が低くなります。この量は重さではなく、「モル」という化学で使う単位ではかります。(この「モル」に関しては小学生の質問コーナーのQ153に分かりやすい説明があるので、そちらを見てください。)

塩と砂糖を比べると、同じ重さでも塩の方が「モル」の量が多いので、塩の方が凍る温度が低くなります。ポカリには色々なもの(砂糖、ぶどう糖果糖液糖、果汁、食塩、酸味料、塩化カリウムなど)が入っているので、単純に比較するのは難しくなります。

以上のことから、「砂糖水」よりも「塩水」の方が、「2gを溶かしたもの」より「5gを溶かしたもの」の方が低い“温度”で凍ると予想できますが、凍る“速さ”は別のことも関係してきます。

例えば、振動を与えず水を静かにゆっくり冷やすと、0℃よりも低い温度になっても凍らずにそのままの状態を保つことができますが、揺すったり、かき混ぜたりすると、それが刺激になって急に氷ができます。また、核(かく)となる小さな粒があったり(目に見えないような小さい粒でも核になります)、ガラスの表面のちょっとした傷などがあったりしても氷ができやすくなります。

今回の実験のように凍る“速さ”を比べようとすると、砂糖や塩の溶け残りがあるかどうか、水を入れる容器の違い、小さなホコリが入っているかどうかなどによっても結果が変わってくる可能性があります。また、いつ「完全に凍った」かを判断するのも難しいと思います。

凍る“速さ”に比べると“温度”は調べやすいので、まずは、砂糖水や塩水を冷やしたときの温度とその様子を観察してみてはどうでしょうか。(0℃よりも低い温度をはかれる温度計を使ってください。0℃までしかはかれない温度計を使うと温度計が割れることがあり危険です。)

凍り方の観察はおもしろいですね。おそらく、水に入っているものの量や小さい粒があるかどうか、そして容器の違いや刺激の与え方などによっても違ってくると思いますが、入っているものによっても違うと思います。色々なものを使って凍る様子を観察して、その結果を教えてください。


(TO) 2008/08/30