Q176★スイカの果汁入りの氷を作りました。(同じスイカです)30ccの氷で果汁10%・30%・50%・80%・100%と5つ用意しました。15日間同じ条件で凍らせて、同じお皿の上で室温・湿度とも同じ条件で溶かし始めました。結果、果汁の多いほうから早く溶け、順番に溶けていきました。他の質問の回答でなんとなくは解ったのですが、やっぱりよく解りません。教えてください。

  
それはね…

水は、他のものが溶けると融点(固体(氷)から液体(水)になる温度)が低下する性質があります。(この現象を少し難しい言葉でいうと凝固点降下(ぎょうこてんこうか)といいます。凝固点降下については、高校で学習します。)何も溶けていない水を氷にしたとき、氷は0℃でとけますが、他のものが溶けている水(水溶液といいますね)を氷にすると、その氷は0℃よりも低い温度でとけるわけです。今回の実験のように同じ温度・湿度においておくと、水溶液が凍った氷の方が早くとけます。たとえば、同じ0℃の温度に水溶液が凍った氷と何も溶けていない氷を置いておくと、水溶液が凍った氷はとけ出しますが、何も溶けていない氷は凍ったままでいます。

さて、では他のものが溶けている水溶液を氷にしたとき、その氷は0℃からどのくらい低い温度でとけるのでしょうか?
どのくらい低い温度でとけるかは、その水溶液に水以外の他のものがどれくらい多く溶けているかで決まります。

今回の実験の場合、それぞれの氷は、スイカの果汁が溶けている量が違う水溶液からつくっていますね。スイカの果汁は、糖分(甘さを感じる原因ですね)と水の他にいろなものが混じったものですので、本当は、それぞれのものについて考えなければならないのですが、今回は、簡単にするために糖分だけを考えることにします。実験では、スイカの果汁の量を変化させて行っていますね。つまり糖分の量の多さが、それぞれの氷で違っていると考えることができます。
いちばん多くスイカの果汁が溶けている100%のものが、いちばん糖分を多く含んでいますので一番低い温度でとけるようになっています。次に80%、その次に50%、10%のものの順にとける温度が高くなっています。ですので、今回の実験では、低い温度でもとけやすいスイカの果汁の多い方から早くとけ、果汁の多い方から順番にとけはじめて、最後に10%のものがとけたのです。(おそらく質問内容に書いている”%”は、体積や重さの割合のことを示しているのではないかと思います。しかし、正確には”モル%”と呼ばれるもので比べなくてはなりません。ただ、今回の質問のように、溶かしているものが同じである場合は、このままでも溶けているものの量の大小を比べることは出来ます。(モルという単位については高校で学習します)。)

さて、なぜほかのものが多く溶けている水溶液を凍らしてつくった氷が、なにも溶けていない水を凍らしてつくった氷よりとけやすくなるのでしょうか?このことをきちんと理解するためには、「化学ポテンシャル」ということばを勉強しなくてはなりません。「化学ポテンシャル」は大学で勉強することばですので今回は詳しく説明することができません。是非、将来大学で化学を学んで、今回の疑問について答えをみつけてくださいね。

また、今回の質問に関係していますので小学生の質問コーナーのQ105, Q144などの回答も参考にしてみてください。

(TS & MS & AI) 2010/08/03