Q89★油性ペンだとガラスやプラスチックにも字や絵が描書けるのに、鉛筆や水性ペン、ボールペンだと書けないのはなぜですか?また、紙に鉛筆で書くと消しゴムで消えるのにボールペンやマジックで書くと消しゴムでは消せないのは何でですか? それはね… 油性ペン,鉛筆,水性ペン,ボールペン 油性ペンと水性ペンの違いは,色のもとが油と混ざりやすい液体のなかに溶けているか,油と混ざりにくい水の中に溶けているかにあります。この色のもとがとけた液体のことをインクと考えます。ガラスの表面やプラスチックの表面は水をはじきます。したがって,水性ペンでガラスなどの表面をなぞっても,色のもとがとけた水(つまりインク)ははじかれてしまいますので,色が表面に残らないので字などが書けないということになります。油性ペンのインクに対してはそれほどひどくはじかないことと,インクが早く蒸発するために表面に色のもとが残ります。 ガラスやプラスチックの表面は,つるつるしています。これは表面にある凸凹が紙などに比べて少ないためです。鉛筆で字が書けるのは,紙の表面にある細かな凸凹に炭素の粉をこすりつけることができるからですが,ガラスやプラスチックのひょうめんではそれができません。また,ボールペンのインクは,油性ペンとにたものですが,ペン先に金属でできた小さな球がはめ込んであり,球がまわることによってインクがペン先に出てきます。紙の表面では細かな凸凹にあたってこの球がまわりますが,ガラスなどの表面がつるつるであるために球がすべってまわらなくなります。このようなわけで,鉛筆やボールペンでガラスなどの表面には字が書けません。 消しゴムについて 紙はセルロースとよばれる繊維(細い細い糸と考えて下さい)が,たくさんもつれあってできたものです。したがって紙の表面は目では見えませんが小さな凸凹がたくさん存在しています。紙の上に鉛筆で文字や線などを書くことができるのは,このような小さな凸凹の上に細かい炭素の粉(黒く見えます)をこすりつけているからです。鉛筆で書いた文字や線を消しゴムで消すことができるのは,紙の表面にひっかかった細かな炭素の粉を消しゴムが吸いとっていくからです(小学生の質問コーナーQ20参照)。一方,ボールペンやマジックインキでは,液体のなかに色のもとがとけています。したがって,紙の上にボールペンやマジックインキで文字などを書くと,液体が繊維のすきまにひろがり蒸発していきますが,そのときに色のもとが繊維のすきまに残り,しかも繊維としっかり付着します(小学生の質問コーナーQ41参照)。そのため,普通の消しゴムでは消すことができません。しかし,色のもとが付着した紙の繊維を削り取ることができれば,字などを消すことはできます。今はあまり見かけなくなりましたが,砂消しなどとよばれる消しゴムが使われていました。また,カッターナイフなどでじょうずに表面の繊維を削ると字などを消すことができます。 なお,表面が特別につるつるした紙,例えば,印画紙などに鉛筆で字などを書くのが難しいことがあります。 (RN) 2006/02/05 |
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