Q205★砂糖の結晶の実験をしました。結晶はできましたが、なぜ出来かのかが分かりません。塩と同じように水が蒸発して濃度がこくなったからでいいですか? しっかりふたのしまるビンで作りましたがしっかりふたをしたビンでも蒸発して結晶ができたのでしょうか? それとも他の理由がありますか? 教えてください。

  それはね…


砂糖も塩と同じように、水に溶ける量は決まっています。砂糖も塩も溶けるギリギリの量が水に溶けていると、水が蒸発すると、砂糖も塩も結晶が出てきます。塩水や砂糖水の最初の濃度が、このギリギリの濃度よりも薄くても、水が蒸発して行くと、どんどん濃くなって、最後はこのギリギリの濃度を越えるので、結晶が出てきます。
ところが、蒸発しないようにしっかりふたをしたビンで実験しても、結晶が出てきたという事ですよね。

砂糖や塩は温度が高いと、温度が低い時と比べてたくさん溶けます。最初に水に溶かした時に、温度が高く、ビンに入れてから温度が下がると、溶けきれる量が減って、結晶が出てくる事が考えられます。
塩は温度が変わっても、溶ける量はあまり増えない性質がありますが、砂糖は温度が変わると溶ける量がすごく増えます。砂糖でだけ結晶が出たのなら、温度が変わった事が原因の可能性が高いのではないでしょうか。
この場合は、結晶の出ているビンをお湯で少し温めて、液をかき混ぜてみて下さい。結晶が溶けて無くなれば、温度が下がった事が結晶が出た原因でしょう。

もう一つ確認して欲しい事があります。水の粒子(水の分子といいます)はものすごく小さいので、ビンのふたをしっかり閉めたつもりでも、どこかに隙間があると、少しずつ液の量が減っている事も良くあります。
ビンの横に液の量が減っていないか調べるために、マジックで線を入れて見て下さい。もし、線よりも液の量が減っていれば、少しずつふたの隙間から蒸発した水が逃げて液が濃くなり、結晶の出るギリギリの濃度を超えてしまった事が原因だと考えられます。

実験をする時は、液の量が変化していない事を確認するとか、温度を同じにして実験するとか、比べる事以外の事を同じにする事が大切です。(科学者でも、これが結構大変なんですが。)
砂糖の結晶を作る事は大変難しい実験です。砂糖の種類(純度)によっても結晶にならない事も多いです。
グラニュー糖は純度の高い砂糖で、結晶化に成功する事もありますが、純度の少し低い上白糖や色のついた三温糖だと結晶化しない事が多いです。また溶かし方によっても、どろどろの飴のようになって結晶化しない事もあります。
今回の実験では、うまく結晶ができたという事で、難しい実験をやり遂げて素晴らしいと思います。
最後にもう一歩頑張って、今回の原因を突き止めて下さいね。

砂糖や塩など、物質の種類によって、溶ける量や温度による溶ける量の変化の仕方は違います。出てくる結晶の形も物質によって違うので、虫眼鏡などで形を観察してみると面白いと思います。


結晶に関しては、小学生の質問コーナーのQ50、中高生の質問コーナーのQ311のページも参考にして下さい。

(HY) 2013/08/22