Q334★食塩水に古い錆びた10円玉を浸したら、しばらくして錆がおちてきました。なぜ落ちるのが教えてください。


 基本的に10円玉の錆取りには「酸」が有効です。これは錆の主成分である銅と酸素の化合物(酸化銅)が酸に溶けるからです。また,酸に食塩を混ぜると 錆がさらに速く落ちることもよく知られていますが,これは食塩に含まれる塩化物イオンが酸化銅の溶解を助けるからだと言われています。

実は、この酸に食塩を混ぜるというのが重要なポイントで,中性の食塩水のみではあまり錆取りの効果はありません。ただし,家庭で使用している水は、空気中の炭酸ガスを溶解してわずかに酸性を示しますので,この炭酸と塩化物イオンの共同効果で錆が落ちた可能性が考えられます。あるいは、食塩に混入した何らかの不純物が錆取りに関与したのかもしれません。

 なお、過去の中学生の質問コーナーQ61 Q74 Q75 Q80 Q96 Q286、および、小学生の質問コーナーQ122 Q143にも同じような質問がありますので,ぜひ参考にして下さい。

(FK) 2010/08/06